Yamasaki 2007年9月・10月の我が家の出来事−1


徹の誕生日@鎌倉

アンミラーレ1 アンミラーレ2

今年3月26回目の結婚記念日で行った鎌倉のイタリアンレストラン「アンミラーレ・フィレンツェ」がとても良かったので、徹の54歳の誕生日もそこで祝った。今回もおいしくいただいた。


日野原重明先生

会社の研修の関係で、聖路加国際病院理事長である日野原重明先生のお話を「目の前」で伺える機会を得た。まずは1時間以上の講演を、ホワイトボードに書きながらたったままで行なう体力と、話がいろいろなところへ飛んでいっても必ずもとに戻ってくる知力に驚いた。御年96歳である。

話の内容はいずれも心に響くものばかりだったが、感心したのは、それら全ての話がひとつのビジョンにまとまるということであった。

先生は、イギリスの詩人、ロバート・ブラウニングの詩の一節「天空に大きな円を描きなさい。自分がその大きな円のアーク(弧)になりなさい」という言葉を大切にしている。そして、先生の「大きな円」とは平和の実現であり、そのビジョンを、次の世代、または次の次の世代、にバトンタッチしていって実現させるために、先生は行動する(アークになる)。

この「行動」で、実はすごいことをたくさんやっていらっしゃる。例えば、病院作りは、たくさんの人が怪我や病気をする戦争に備えて、どこの廊下でも手術ができるようなものにする(これはスイスの病院を見習ったそうである)。聖路加国際病院は、おかげで、地下鉄サリン事件がおきたときに全員をすぐ収容できたという。また、小学生にいのちの大切さを教える「いのちの授業」を長く続けていらっしゃるとのことだが、「いのちは君が使える時間のことだ」というと、子供はちゃんと理解するとのこと。そして「その時間を自分のためだけでなく、他の人のためにも使っているかどうか考えてみて」と宿題を出すそうである。反対に、老人に対しては、社会活動に積極的に参加していく75歳以上の老人を「新老人」と名づけて組織し、貴重な経験や豊かな知恵を社会に役立てようとしている。「新老人」は小学校で戦争体験を話したり、子供に英会話やITを教えたりしているとのことである。本当に頭が下がるし、自分も年をとっても社会に役立つことをやっていこうという気になってくる。

ところで、この「大きな円のアークになる」ということが、鹿児島で学んだ「人は石垣、人は城」と意味が同じであることに気がついた。「人は石垣、人は城」の、特に後半の「人は城」の部分は「人材教育」の大切さを意味している。一方前半の「人は石垣」の部分は、いろいろな個性を持っている「石」をうまく組み合わせて立派な「石垣」を作ることの大切さも意味していると言える。つまり、全体として「連携して大きな石垣や城になる」になるということが「大きな円のアークになる」ということと同じではないか。

日野原先生の著書は徹も持っているが、このサイトからダウンロードできる以下のPDF形式の講演論文はコンパクトにまとまっていてわかりやすい。

日野原 重明. 老いても輝いて生きるための準備 . 日本農村医学会雑誌 2007; 55: 553-564



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