Yamasaki 2008年11月・12月の我が家の出来事-22



フィレンツェ-12

サン・マルコ美術館1 サン・マルコ美術館4

今回徹が再発見した画家は、リッピ父子ともう一人、フラ・アンジェリコである。フラ・アンジェリコはフィリッポ・リッピと同じくコジモ・メディチがパトロンでだったらしいが、フィリッポ・リッピと異なり、その名(天使のような修道士)のとおり敬虔なキリスト教徒として一生をすごした。その彼の名作は、サン・マルコ美術館で見ることができる。まず1階の美術館に、とても素晴らしい絵があった(左写真:残念ながらぼけている)。題名はCompianto sul Cristo mortoとあり、「キリストの死への哀悼」とでも訳すのだろうか、聖母マリアの悲しみの表情がとてもよく表現されており、しばし見とれてしまった。フラ・アンジェリコの「ピエタ」と言ってもいいだろう。

もともと修道院だったので美しい中庭があり、その庭の回廊にフレスコ画が描かれている。ちょうど修復中のフレスコ画もあり、その修復作業そのものも絵になっていたので撮影させていただいた(右写真)。


サン・マルコ美術館6 修道僧の僧房1

2階へ登ると階段の正面には、フラ・アンジェリコの作品では一番有名な「受胎告知」(左写真)がある。とまどいながらも穏やかな表情を見せる聖母マリアの顔からは、これから生まれるわが子が死を迎え(Compianto sul Cristo mortoで見せるような)悲しみにくれる結末を想像もできない。2階には修道僧の僧房が設けられ、ひとつひとつ中を覗くことができる(右写真)。


修道僧の僧房2 マギの礼拝

僧房の窓がある壁面には、フラ・アンジェリコとその弟子が「キリスト伝」のエピソードをひとつひとつ描いたフレスコ画が残っている(左写真)。フラ・アンジェリコのパトロンだったコジモ・メディチ専用の瞑想室もある。その中にはフラ・アンジェリコ直筆の「マギの礼拝」が描かれている(右写真)。この絵の中の左側で聖母子に身を投げ出しているのがコジモ本人であると言われている。


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