Yamasaki 2009年11月・12月の我が家の出来事-18



京都市内(清閑寺、将軍塚大日堂、千本釈迦堂、石像寺、青蓮院)

清閑寺1 清閑寺2

次の日の朝は、まず京都駅にレンタカーを返却しにいくために蹴上から東山ドライブウエイにはいった。その出口あたりに、清閑寺という小さな寺がある(左写真:山門。「歌の中山清閑寺」と書いてあるが、清水寺から清閑寺までの林道を「歌の中山」というらしい)。紅葉で有名な将軍塚大日堂が開く前の時間つぶしに、朝早くからあいているという理由で寄ったのだが、ここが良かった。

清閑寺には、平家物語に登場する小督にまつわる悲しい話がある。

小督は高倉天皇の中宮建礼門院徳子に仕えた宮中一の美女で、箏の名手だった。高倉天皇の寵愛を受けたが、徳子が平清盛の娘であったことから清盛の怒りをうけ宮中から追い出され、嵯峨野の小庵で隠棲させられた。小督を忘れきれない天皇は、部下の源仲国に秘密裏に探させた。中秋の名月の夜、嵯峨野へ箏の音を頼りに仲国は小督を見つけ、御所へ連れ戻す。この話をもとにして謡曲「小督」がつくられた。しばらくして小督局は範子内親王を出産するが、これを知った清盛は激高し、親王を取り上げ、挙句に小督を清閑寺で出家させた。その後若くして亡くなられた高倉天皇は、直前に「小督のいる清閑寺に葬ってくれ」との遺言を書き、清閑寺に埋葬された。悲しみの小督はすぐに御陵近くに庵をつくり、亡くなるまで天皇の菩提を弔って過ごしたという。現在も高倉天皇の御陵の傍に、小督の墓がある。

清閑寺山門下にある高倉天皇の御陵(右写真)。紅葉に覆われている。御陵にははいれないため、小督の墓はどこにあるかわからない。


清閑寺3清閑寺4  清閑寺5

清閑寺境内の庭も紅葉が美しい(左写真、右写真)。


清閑寺6  清閑寺7

本堂には、菅原道真作の十一面千手観世音が安置されているとのことだが、本堂前の紅葉がまた素晴らしい(左写真)。境内の奥に要石(かなめいし)と呼ばれる大きな石がある(右写真)。この石を基点に山に切り取られた京都の町は扇のように広がっているためそのような名前がついたらしい。この石に願いを掛けると叶うという信仰もあり、淳子は試してみた。


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