Yamasaki 1999年7月・8月の我が家の出来事-2



グランド・サークルとラスベガス-1

Grand Circle

アメリカ西部のユタ州南部にレイク・パウエルという人造湖があるが、そこを中心として半径200kmの円を描くとその内部にグランドキャニオンはじめたくさんの国立公園がはいる。このエリアをグランドサークルというが、この夏休みを利用してその半分程度を、ラスベガスでレンタカーを借りてまわってきた。これはそのレンタカーで走り始めた最初の日、ラスベガスを出て見渡す限り荒涼とした砂漠のような場所にはいったときに撮ったもの。日本では絶対お目にかかれない景色がこれから始まる。

Narrows in Zion National Park

まず訪れたところはザイオン国立公園である。簡単に言ってしまえばここは「赤いヨセミテ」であろう。ヨセミテは氷河に削られてできたもの、ザイオンは川に削られてできたものという違いはあるだろうが、色が白から赤に変わった(ザイオンでは道路のアスファルトまで赤茶色にしてある)ほぼ同じような雄大な景色が楽しめる。ただしヨセミテの絶景が望めるグレイシャーポイント(以前家族で撮った写真がここにある)に相当する場所(エンジェルス・ランディングとかオブザベーション・ポイント)にはザイオンではトレイルを何時間もかけて歩いていかなければならないのであきらめた。この写真はナローズというトレイルを歩いている我が家の男3人の写真である。トレイルといってもこのように途中から川の中を歩いていくことになる。このあたりの川幅は15mくらいだったろうか。もっと奥へいくと6m程度になるとのこと。両側は300mくらいの岩壁である。なおこのトレイルでは草をはんでいる鹿にでくわした。


Bryce Canion

次に訪れたところはブライスキャニオンである。ここがまたすばらしい。このキャニオンを崖の上から最初見たときにはなんと形容していいかわからなかった。ガイドブックには尖塔群という表現がしてあるが、それでは全然イメージが湧かない。物理的なイメージとしては、鍾乳洞の中にある大きな石筍が数平方キロにわたって無数にあるといったところか。感覚的なイメージとしては、タイかどこか東南アジアの宮殿のようにも見える。夜月明かりのもとでも見たが、そのときは廃墟のように見えた。この写真は、そのキャニオンへ降りて上ってくるトレイルの途中で撮影したものである。E.T.のようにも見える高い岩は「雷神のハンマー」という名前の有名な岩らしい。このトレイルは、このようなおもしろい形の岩や穴、そして岩の間の狭い空間に高くそびえる木と、本当に愉しいトレイルだった。


Rainbow Bridge

レイク・パウエルにはいり、そこから船にのって2時間、現地のアメリカインディアンが「虹がかたまって石になった」と伝えている天然の石の橋レインボー・ブリッジに到着する。最初穴があく前は、大きな石で、その左側を迂回していた流れていた川が結局まっすぐ流れようと石をつき破って穴を空け、成長させたとのこと。にわかには信じがたいが、この橋の手前でレンジャーの人が丁寧に説明してくれると納得してしまう。日本でもこういう人たちがその場で説明してくれると自然をもう少し大事にするのではないか。とにかくごみひとつない。なおガイドブックには「レインボー・ブリッジへのボート・ツアーはかなり高料金だが、クルーズ自体が最高のアトラクションで、決して乗り過ごすな。」とあったが、なにぶんにもこの手の景色はこの周辺で十分みているので、片道2時間は飽きる。帰りの船ではみんなたいくつしきって、寝てばかり。レインボー・ブリッジに特別の興味を持たない人は時間と金の無駄だろう。


Monument Valley

ちょっと寄り道にはなるが、是非とも行ってみたかったモニュメント・バレーを訪れた。とにかく西部劇で有名な、広い荒野の中のところどころにたつビュート(残丘)という特異な風景にはやはり感激する。そしてバレー内の未舗装道路を砂煙をまい上げながら走ると、「アメリカ西部にきた」という実感が湧く。宿泊したのは、ジョン・フォード監督の常宿であったゴールディングス・ロッジだが、この部屋から見るモニュメント・バレーもすばらしく、朝焼けを背景に黒く浮かぶビュートは強い印象を与える。なお、ここは国立公園ではなく、アメリカ・インディアンのナバホ族居住地で、彼らが管理・運営する公園である。それから、ここはザイオン、ブライスキャニオンのあるユタ州ではなくアリゾナ州にあり、基本的に1時間の時差があるのだが、ナバホ居住地ということで夏時間を採用しており、結局ユタ州と同じ時間であるというややこしいことになっていた。



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