Yamasaki 2008年3月・4月の我が家の出来事



山下洋輔ガーシュインを弾く

ジャズ・ピアニスト山下洋輔がクラシックを弾くというので、壁面が木で作られており古くから音響の良いとされる(特別響きが良いとは感じなかったが、、、)神奈川県立音楽堂へ初めて聞きにいった。タイトルは「クラシックなジャズナイトin音楽堂」、それがとても素晴らしかった。

横浜音楽堂

徹にとってジャズとクラシックの融合というと、グレングールドのバッハ「ゴルトベルク変奏曲」とチックコリアのモーツァルト「ピアノ協奏曲」ぐらい、いずれも同じくピアノである。ただ、今回は最近どちらかというと「実際に燃えているピアノを弾く」というパフォーマンスだけが話題になっていた山下洋輔だというので、音楽そのものがどうか今ひとつ疑問を持って出かけたのだが、最後の曲で見事に裏切ってくれた。

最初の曲は、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード。徹にとってはカザルスやジャンドロンの演奏で聞いている曲であるが、ピアノは初めて。客席は沸いたが、あまりピンとこなかった。2曲目からはオケが登場。最近「題名のない音楽会」などで人気が出てきた佐渡裕指揮東京フィルハーモニー交響楽団で、バーンスタインの「キャンディード」序曲を演奏。これにも客席は沸いたが、徹にはあまり伝わらずうるさい感じだけが残った(ただ、演奏の前にあった、山下洋輔と佐渡裕のトークは、「燃えるピアノを弾く」件についての話など楽しく聞けた)。

そして大体こんなものかと合点しそうになってしまってから、3曲目ガーシュインの『ピアノ協奏曲へ調』が始まった。この曲はアントルモン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管の演奏でCDを持っているが、このページに書いているように「ジャズのような曲だが、結構楽しめる」、つまり徹の好きな曲である。しかし、曲以上に山下洋輔がのめりこんで弾く姿とその強烈で恐ろしく情熱的なピアノの音に第一楽章から打ちのめされてしまった(写真は、徹の席から撮影した開演前の舞台だが、ピアニストの演奏が良く見えるいい席だった)。普通第一楽章と第二楽章の間に拍手なんか入れないのだが、既に興奮している観客は割れんばかりの拍手、徹もおもわず拍手をしてしまった。当然佐渡裕は第二楽章にはいれず、山下洋輔自身が客席に合図をしてようやく再開となった。最後の第三楽章は手だけではなく肘まで使ってピアノを弾いたり、力強く鍵盤をたたいて体が椅子から飛び上がったりと、もう体が壊れてしまいそうなほどのあらんかぎりの力を振り絞った演奏となり、その熱が伝わったオケとともに感動的なフィナーレとなって大興奮の観客は総立ち、徹も立ち上がってその演奏とパフォーマンスに拍手を送った。

当然、拍手はなりやまずアンコールとなったのだがこれも良かった。自身が作曲したジャズナンバーだったのだが、オケのメンバーが興に乗って立ち上がって演奏するというこれまた見事なパフォーマンスをやってくれ、曲のよさもあいまって多いに楽しめた。とても素晴らしい時間を過ごさせてもらった。

なお、あとで分かったのだが、山下洋輔はガーシュインを尊敬していて、去年は金聖響指揮神奈川フィルとの共演で同じ横浜音楽堂で「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏したとのこと。それもすごい演奏だったらしい。

東京の夜桜

4月1日付けで徹の会社の組織変更があり、徹自身の研究所も陣容が拡大し名称も変わった。その立ち上げで4月は大変な忙しさとなり、ゆっくり桜を楽しむ暇もなかった。そこで仕事にからんだ形での東京の夜桜の紹介となる。

権八1権八2権八3権八3

米国研究所からの来訪者と、小泉首相がブッシュ大統領を連れていったことで有名になった西麻布の「権八」で、夕食をとった。その店の前に咲いていた桜が風情があった(携帯電話のカメラで撮影したためこの写真からは全然そのよさは感じられないが、、、)。巨大な「蔵」のような外観を持ち、内部も古い日本の雰囲気を出したこの「権八」は、いかにも外国人が好みそうなところである。

六本木一丁目

営業部隊に近いところで研究をすることも重要だということで、徹の研究所では六本木一丁目のビル内に「分室」をおいている。夜遅くなってそこからアークヒルズ内の「回転寿司UOKI」に行く途中、横断歩道橋の上から見た桜は見事だった。なお、「回転寿司UOKI」も全日空ホテルに宿泊する外国人が良く利用するおいしいすし屋で、徹も米国研究所の駐在時代に、研究所長と日本出張して全日空ホテルに宿泊すると必ず食べに行ったところである。



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