Yamasaki 2011年5月・6月の我が家の出来事 - 6



京都(京大周辺、東寺、広隆寺)-3

東寺7 東寺8

東寺にもうひとつ、御影堂という優美かつシンプルな形をしている建物がある(左写真、右写真)。司馬遼太郎氏の「古寺巡礼京都」からの素敵な一節が立て看板に載せられているので紹介したい。「私は毎年、訪ねてくる人に京都のどこかの寺を、そのときの思いのままに案内するのだが、約束のときに「東寺の御影堂の前で待ちましょう」ということにしている。京の寺々を歩くには、やはり平安京の最古の遺構であるこの境内を出発点とするのがふさわしく、また京都御所などよりもはるかに古い形式の住宅建築である御影堂を見、その前に立ち、しかるのちに他の場所に移っていくのがなんとなく京都への礼儀のような気がして、そうゆうぐあいに自分をなじませてしまっている。弘法大師(空海)に対する私の中の何事かも、こうゆう御影堂へのなじみと無縁でないかもしれない。」


東寺9 東寺10

御影堂の境内には、尊勝陀羅尼経の石塔を背負っている贔屓(中国の想像上の動物で亀に似ている)の像がおいてある(左写真)。御影堂にある「万病ぬぐいの布」でこの贔屓の体を擦ってから自分の患部へ擦ると効果があるという。また同様に、手で触ってから自分の悪いところに触ると治るという天降石も置いてある(右写真)。両方に触ったら治らない病気はない、ということだろう。


東寺11 東寺12

しかし、東寺のハイライトはやはり何と言っても、国宝の金堂(左写真)内にある日光菩薩と月光菩薩の優美な姿、そして講堂の中にある立体曼陀羅の中の帝釈天のこれまた優美でかつきりりとした顔であろう。特に帝釈天の右側面から見た顔はほれぼれしてしまう。店で売っている絵葉書に載っている写真はいずれも左側から撮影したものだったので買うのはやめ、ここではパンフレットに小さく載っていた右側から撮影した写真を載せる(右写真)。印刷物なので、デジカメとの間で少々モアレが生じているが、それでもその素晴らしさはわかると思う。


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