2012年3月・4月の我が家の出来事 - 4
セザンヌ展@国立新美術館

庭に桜が咲いていた(左写真)国立新美術館で開催されている「セザンヌ-パリとプロヴァンス」展(右写真)に行ってきた。

「パリとプロヴァンス」というサブタイトルがついているように、この展覧会ではセザンヌの画業をパリとプロヴァンスという2つの場所に注目して振り返っているとのこと。但し、それが成功しているかというと、そうでもなかった。絵がそういう視点で並べられていないからだ。でも、とにかく、セザンヌの静物画は素晴らしい。特に「りんごとオレンジ」(左写真:絵葉書より)は、チケットに使われていただけあってコクと深みがある絵だし、「青い花瓶」(右写真:絵葉書より)もとてもいい色使いである。

人物画では、「赤い肘掛け椅子のセザンヌ夫人」(左写真:絵葉書より)も良かったが、今回は「座る農夫」(右写真:絵葉書より)が、その大きな手が「農夫」を象徴していてかつ違和感がないことに感心した。

そしてこの展覧会で一番印象に残ったのは「横たわる少年」という絵(右写真:絵葉書より)。気になって何度か絵の前を往復したのだが、少年が何かを夢想していることを象徴しているような浮遊感が素晴らしい。まるで雲の上にいるようだ。