Yamasaki 2012年5月・6月の我が家の出来事 - 2



日本美術の展覧会2つ

1.細見美術館展Part2@そごう美術館

昔、一保堂の女将が薦めてくれて行ったことのある、京都岡崎の細見美術館(このページ)。そのときは見ることができなかったが、細見美術館の若冲と琳派の作品が多く展示されているというので、そごう美術館に行ってきた。


伊藤若冲1 伊藤若冲2

チケットの表紙にもなっていた、伊藤若冲の「雪中雄鶏図」(左写真:絵葉書より)。最初期の作品らしいが、すでに緻密。しかしそれより、若冲82歳のときの作品、墨の濃淡で十二様の鶏を描き分けた「鶏図押絵貼屏風」(右写真:絵葉書より)が、活き活きとして力にあふれており素晴らしい。特にこの小さなひよこ達を守るようにたち、威嚇するような鋭い目と勢いのある筆捌きで描かれた鞭のような尾を持つ雄々しい鶏にはほれぼれしてしまう。


鈴木其一 中村芳中

琳派の絵の中では、鈴木其一の「朴に尾長鳥図」(左写真:絵葉書より)。掛け軸ではあるが、先進的な画風にびっくり。そして中村芳中の「花弁図画帳より 八月 芙蓉」(右写真:絵葉書より。実際は違う月の花の絵が展示されていたが特徴は同じ)は、デザイン性をもっとおしすすめて、ユニーク。やりすぎの感もあるが、憎めない。


2.ボストン美術館/日本美術の至宝@国立博物館

国立博物館 尾形光琳

これも20年以上昔に訪れたことがあるボストン美術館の日本美術コレクションの展示ということで上野まで行ってきた。暑い日の中30分程度並んだが、そのとき建物の間から東京スカイツリーが見えた(左写真:右下には日傘が映っているが、貸し日傘や無料の飲料水も提供されていた)。細見美術館展との関連で言えば、伊藤若冲の作品も2点あったが、「雪中雄鶏図」と「鶏図押絵貼屏風」で充分。ただ尾形光琳の「松島図屏風」の大胆なデザインは素晴らしい(右写真:パンフレットより)。


レンブラント 僧形八幡神 ボストン美術館収蔵


この展覧会では、なんといっても仏画・仏像が良かった。特に快慶の最初期の作品「弥勒菩薩立像」(左写真:パンフレットより)は、写真では顔がきつい感じがするが、実際はきりっとしているものの慈愛にみちたお顔をされており、その流麗な立ち姿とあいまって、まさしく優しさが「快」い。

もうひとつ、康俊(運慶のひ孫)作の「僧形八幡神坐像」という作品が、そのきりりと引き締まった表情で強い印象を与える。どこかしら徹の父親と似ている感じを持ったことも印象に残った理由のひとつである(左写真:僧形八幡神 ボストン美術館収蔵 posted by (C)poco)。


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