Yamasaki 2013年11月・12月の我が家の出来事 - 23


オーストリア - 23

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さて、楽友協会ホールから、市立公園と反対方向へ行くと、セセッションという、金色のドームが印象的な美術館がある(左写真)。正面玄関の扉上部には、「絵画、彫刻、建築」を表すというゴルゴン三姉妹の頭部彫刻があり、その上には「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」との意味を持つ、"DER ZEIT IHRE KVNST DER KVNST IHRE FREIHEIT"とある(右写真)。


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なぜ、この美術館を訪問したかというと、ベートーベンの音楽に関係しているからである。実は、地下一階にクリムトが交響曲第9番をテーマに描いた連作「ベートーベン・フリーズ」があるのだ(写真)。

展示室の中は撮影禁止であるが、白く塗られた小部屋の壁の上部に、ぐるりと囲んで帯状に、交響曲第9番の4つの楽章に相当するのではないかと思われる、4つの場面が描かれている。


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最初は「幸福への憧れ」という場面で、チケット(左写真)に描かれている「幸福を探求している勇者」に寄り添う2人の女性で具象化している。2番目は「敵対する力」という場面で、「世の中の危険や誘惑」が描かれており、3番目は「詩」という場面で、展示室の入り口にあった立て看板(右写真)「竪琴を手にした女性」がその象徴として描かれている。人類の幸福への憧れが詩に慰めを見出し、癒されるというのがテーマということだろう。


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そして最後の場面「この接吻を全世界に」では、天使たちの合唱(左写真)と、その隣に、互いに抱擁し接吻する男女の図(右写真)が描かれている。これが、第4楽章の合唱「歓喜の歌」を表現したものであることは明白だろう。


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