Yamasaki 2009年1月・2月の我が家の出来事-5



だんだん~竹内まりや

だんだん 竹内まりあ

NHK朝のテレビ小説など見たことのいない徹だったが、昨年10月から始まった「だんだん」(左写真はDVD表紙:ここで全話が見れる)は、生まれ育った「松江」と青春時代をすごした「京都」の両方が舞台になっていると聞いていたため興味を持っていた。しかし会社勤めでは朝見るチャンスはなくあきらめかけていたのだが、土曜日の朝BS放送で1週間分まとめて見ることができることがわかり、見てみたら、、、、、途中からではあるがはまってしまった! 見れないときのために、デジタルレコーダーを購入したほどである。はまった理由は、以下の3つ。

1)あたりまえではあるが、松江(だけでなく出雲や隠岐も)と京都の景色がふんだんに出てくる。大体、番組のはじめに流れる主題歌のバックに使われている映像からして、松江と京都が溶け合っていて素晴らしい。その映像は、宍道湖の朝焼けから始まり、両側から京扇子がでてきて、宍道湖岸を走る黄色い一畑電車(通称ばたでん:このページに写真をのせている)が登場する。ここまでで、もうなつかしい気持ちになってくる。そのあと、出雲大社が松江城にピース・バイ・ピースで変化していくという演出でうならせたあと、祇園の御茶屋のぼんぼりが松江城を包み、それが割れて都をどりを踊る舞妓が現れ、(松江の名産)めのう細工の帯止めをつけた舞妓の着物につながっていくというテンポのいい変化に感心する。さらに、その舞妓の着物の花柄模様が(宍道湖のとなりの中海に浮かぶ大根島の名産)ぼたん畑に変わったあと、寺の庭や石段が登場して最後は再度宍道湖の夕焼けで終わるという、本当にこころにくい演出である。

2)もちろん、ストーリーもとてもいい。生まれてすぐに松江と京都に離ればなれで育った双子の姉妹(姉「めぐみ」妹「のぞみ」。三倉マナ・カナ姉妹が演ずる)が、「縁結び」で有名な出雲大社で運命的な出会いを果たすところから話は始まる。めぐみは松江を出て京都の大学に進学(徹と同じ!)し、のぞみが暮らす祇園のお茶屋に下宿するという展開。そして二人の「縁の糸」が家族やふるさとの人たちをも結びつけ、様々な出会いや再会を生み出していく。その出合った人たちの人生模様もよく描かれているが、その中で喜びや悲しみ、そして挫折も経験しながら必死に生き方を模索していく二人の姿がとても丁寧に描かれる。特に、めぐみのおかげで外の世界を知ったのぞみが祇園を飛び出して歌手になり、しかし限界を感じて祇園に戻ってきて名取になりそして女将になる過程は、その演技がうまくなっていったこともあり、感動する。

3)そして、このテレビ小説を特徴づけるのが歌であり、その歌がとても素敵である。三倉マナ・カナ姉妹が実際に歌もうまいこともあるからだろうが、ストーリーの中でも彼女たちは歌手になり、「赤いスイートピー」や「あの素晴らしい愛をもう一度」といったなつかしい歌謡曲やフォークソングを歌ってくれるし、オリジナルの「いのちの歌」もいい曲である。しかしなんといっても、主題歌「縁の糸」(このページで聞ける)がいい。歌っている竹内まりやの歌では「人生の扉」がいいと思っていた(歌詞をこのページで紹介している)が、「縁の糸」の歌詞もとてもいい。1番の歌詞のほうがいいと思うが、2番には出雲大社を意味する「八雲立つあの場所」(出雲大社本殿の八雲の図について詳しくはこのページにのせている)という部分があるので、両方のせる。

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「袖振り合うも多生の縁」と いにしえからの伝えどおり
この世で出逢う人とはすべて 見えぬ糸で繋がっている
天が描いた シナリオに沿い あなたと私知り会うの
時に愛して 時には泣いて やがて固い絆へと
どんなに細い縁の糸も 物語運んでくる。

「つまづく石も縁の端」なら 今日すれちがう旅人が
ふと投げかけた微笑さえも 運命からのプレゼント
時空を超えて 何度とはなく 巡り逢うたび懐かしい
そんな誰かを 見つけに行こう 八雲立つあの場所へと
どんな小さな縁の糸も 何かいいこと連れてくる。

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竹内まりやが出雲大社のある出雲市大社町の旅館の娘であったことが、この歌のできばえを良くしている理由だろう。それこそ「縁」を感じた彼女の思いがあらわれていると思う。

さて、その竹内まりやの「縁の糸」が素敵だったので、他の歌も聴いてみたくなり(学生時代から今まで、彼女の曲は全然知らなかった)、NHKのSONGSに出演したときのビデオを見たり、YouTubeを検索したりして、とうとう最近発売されたベストアルバム「Expressions」(写真)を購入し(てしまっ)た。

この3枚組アルバムは、ほぼ年代順にヒット曲が並んでいるが、初期の作品「涙のワンサイデッド・ラヴ」「September」「不思議なピーチパイ」など今聞いてもちっとも古臭さを感じないし、英語の歌詞が頻繁に登場するがその発音もなめらかでびっくりする。 ただちょっと声が甘いところが気になるけれど。
80年代になると作詞・作曲の才能をいかんなく発揮して、「元気を出して」(薬師丸ひろこ)や「駅」(中森明菜:彼女の歌う「駅」も異なる表現だが悪くない)など、他の歌手にもヒット曲を提供している。それから「シングル・アゲイン」「マンハッタン・キス」など素敵な曲が続く。
90年代、そして2000年にはいると、CM、TVドラマ、劇場映画のタイアップ曲がとても多くなる。そして「告白」「家に帰ろう」「返信」「みんなひとり」「うれしくてさみしい日」「人生の扉」と円熟した詩・曲が続く。歌声も、結婚・育児を経験し、50才を越え、落ち着いて余裕がある。

全曲を通じて、夫である山下達郎のアレンジも楽しいし、彼とのデュエット曲も素敵だ。竹内まりやの30年のシンガー・ソングライターとしての歴史、その中で結婚・育児での休養がプラスになっていることは、世の働く母親たちの力にもなるのではないか 。


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