Yamasaki 2011年1月・2月の我が家の出来事



八王子神社への初詣

八王子神社1

今年の初詣は、母をこちらに引き取ったために松江には行かず、近くの八王子神社のみとなった。 このページにあるように、昨年から大きな絵馬に立派な字で新年の挨拶が書かれるようになっている。今年も「卯」という字を背景に「恭賀新春」と書かれた、大きな絵馬が飾られていた(写真)


八王子神社2 八王子神社3

説明板がたてられて初めて知ったのだが、境内にある大きな木は「タブノキ」で、景観法第28条第1項に基づいて指定された、茅ヶ崎市に2本しかない貴重な木だそうだ(左写真)。また、本殿の右側だけではなく、今年は左側にも石が置かれていた(右写真:本殿右側の石の写真はこのページにのっている)。昔、若者が力比べをした「力石」(70kg)だそうである。


和・洋2つのクラシックコンサート

よみうりホール緞帳 サントリーホール

若い頃はハードロックが好きだったのだが、なぜか当時感激した津軽三味線(高橋竹山のLPを持っていた)を聞きたいと思い立ち、知らない人だが高橋祐次郎・津軽合奏団「風KAZE」の演奏を聴きに有楽町のよみうりホールまででかけてきた。よみうりホールは有楽町駅そばにあるとのことだったが、家電量販店のビルの最上階にあるということにまずびっくりした。そして舞台の緞帳が横山大観の描く富士山であることにさらにびっくりした(左写真)。家電量販店と大観の富士の緞帳、なんともアンバランスなものが同居している。
演目は、第1部は津軽じょんから節などの民謡なのだが、第2部は衣装を「忍者風」に替えてエンターテイメント性を備えた演奏を行った。これは、世界中を公演している立場からの構成であったと思われる。その中で、もちろんお目当ての津軽三味線の演奏は良かったが(「高橋竹山流の弾き方で」という演奏もあった)、競演の演目が多いということもあって、高橋竹山の独演のすごさにはかなわないというのが感想である。しかし、初めて聞いた佃一生、康史親子の演奏する尺八の素晴らしさには感動した。特に「荒城の月」「赤とんぼ」には思わず涙が流れたほど。西洋のフルートではあそこまでの凄味や懐かしさは表すことができないのではないか。

一方、マーラーの交響曲第1番「巨人」を聴きに、サントリーホールへ行った(右写真)。マーラーの交響曲を聴くのは、サンフランシスコで小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラの9番を聞いて(このページ)以来実に10年ぶりである。今回は、飯森範親指揮東京交響楽団の演奏。
まずリストのピアノ協奏曲第1番を、アリス=紗良・オットというかわいらしいピアニストで聞かせてくれた。彼女は軽やかな服をまとい、どうやら裸足ではないかといういでたちで演奏。ただ、リストの(ピアノ小品は好きなのだが)協奏曲は好みではないということもあり、のらなかった。アンコールではショパンのノクターンを弾いてくれたが、それは良かった。同じ協奏曲第1番なら、ショパンのほうを弾いてほしかった。さて「巨人」であるが、残念ながらオーケストラのまとまりがあまり良くなかった。正月あけで、まだ練習不足か? しかし第4楽章だけは、指揮者が早めのテンポでオーケストラをぐいぐいひっぱり、よく盛り上がった。


パリのめぐり逢い

もう3年以上も前のこのページに、映画「ナタリーの朝」のビデオを手に入れて見た感想とともに、「この年でちょっと気恥ずかしいが」「こころに残る恋愛映画」のベスト20をあげたのだが、そのリストを見た高校時代の友人から「(リストにははいっていないが)昔見た「パリのめぐり逢い」が良かった」というメールをいただいた。そのときは、映画名は知っているが見たことがあるようなないような、出演はイブ・モンタンとジャンヌ・モローだったような、、、というあいまいな記憶。友人は「なかなかDVDで見つからない」とのことだったが、当方も記憶の確認がしたいため、当時ネット上を一生懸命探し回った。しかし、フランシス・レイ作曲のテーマ音楽は聞いたことがあること、女優はジャンヌ・モローは間違いでアニー・ジラルドであること、そして当時好きな女優の一人であったキャンディス・バーゲンが愛人役で登場することまではわかったが、DVDどころかビデオさえ見つからなかった。

そして3年たって、ひょんなことからYouTubeなどで「Vivre pour vivre(パリのめぐり逢い)」の動画をみつけた。しかし、フランス語版の字幕なしか、字幕があってもポルトガル語の動画である。それでも、クロード・ルルーシュの恋愛映画、行動と表情を見れば大体わかった。そして、この映画を見た記憶がないことが確認できた。初めて見た。そして大人の恋愛を、素敵な音楽とカメラワークを効果的に使ってえがいた、実に洒落た映画であることがわかった。
ストーリーとしては、大胆な行動をとる乗馬好きの若い女性キャンディス(キャンディス・バーゲン)にひかれたロベール(イブ・モンタン)が、結局はゴッホが好きな妻カトリーヌ(アニー・ジラルド)のもとへ戻るという単純なものなのだが、ロベールの心がここにないことに気づく妻カトリーヌの表情、ロベールと妻との楽しそうな場面を見るときの愛人キャンディスの表情、、、、などをカメラがじっくり見せてくれる。さらに、キャンディスとカトリーヌ、対照的なお互いのテーマ曲が、それらの表情とかぶって、見る側の心の内側にはいってくる。その他、2人の女性を連続的にぼかして映したり、抱き合う2人ではなくその周りを回転しながら映したりと、そのときどきの登場人物たちの感情を、カメラがよく表現している。
最後のシーンが最高に心憎い。キャンディスと別れたロベールが、スキー場にいる妻のカトリーヌのもとへ出向いたものの、妻のよそよそしい態度にあきらめて車に戻る。そのフロントガラスについた雪を手ではらっていくと、、、中にカトリーヌがすわっている、、、そこでFIN、というまさに「正統的」フランス映画である。


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